工藤真希子 Official Website

2016年09月10日

中国 / day.4 公開レッスン

前の日に飲んだ白酒とリサイタルの疲れでぐっすり寝て、
念願の飲んだ後の甘いおかゆ、もやって、笑、朝9時半から公開レッスン。
9歳から26歳まで、5人の中国人の生徒(学生)さんがレッスンを受けてくれました。

曲は、ショパンの木枯らしだったり、リストのため息だったり、
結構大きな曲が多かったのですが、聴かせてもらって、
音楽の価値観というか、良い音楽の在り方が違うのだな、と感じました。

彼らにとっては、優しかったり綺麗だったりすることが美徳ではなくて、
強かったり激しかったり目立つことが美徳だったりするので、
とにかく派手になればいいって、ピアノを叩く。何度、叩かないー!と言ったことか。
日本人にもそういう人がいたりしますが、
それって美しくないよね、と言えば、直らないにしても理解はしてもらえる。

でも中国人に言っても、きょとんとされるばかりで、
だんだん、彼らにとっての「美しい」の意味が違うのなら、
直すことが良いことなのか、分からなくなったりしました。

しかも、公開レッスン、例のオレンジのピアノでやったので、
楽器を鳴らす、楽器を響かせる、ということが、果たして理解できるのかと思ったりもしました。

ですが、汚い音は汚いので笑、やっぱり直さずにはいられない。
嫌なものは嫌なのー、と、レッスンしてきました笑。

あとで通訳さんとお話ししたら、
中国では人に勝つこと、1番になることが美徳なところもあるとのことで、
だから音楽でも言い負かしたくなるのかな、と思いました。

あと言葉もあるかなと思います。
音楽はもともと言葉から来ているので、
ドイツもの、ロシアものなど、その国の音楽の特徴をつかむには、
その国の言葉が話せるようになるといいのではと常々思っているのですが、
中国語って、高低差が激しくて、急に上がったり下がったりするし、
早口に聞こえて、喧嘩しているように聞こえる。
特に東北の方は、ジェットコースターっぽい言葉。
南の方はそこまで高低差がなく、上海では結構穏やかに感じました。

日本語は、穏やか。通訳さんと日本語で話していたら、朝ごはんのレストランのスタッフさんに、
歌ってるみたいねって言われました。確かにのんきに聞こえるのかも。

日本人の音楽は抑揚がないとよく言われます。言葉がそうだから、音楽もそうなる、ことが多い。
中国人は、常に激している感じ。リストのため息すら、激流のようでした。
ため息って何のため息だと思う?恋煩いだからね!甘いんだからねー!分かる?と、男子生徒を問い詰める私。笑

中国人が悪くて、日本人が正しいということではなく、
どちらもヨーロッパの音楽をやるアジア人として、
日本人も何か中国人から学べるところがあるのでは、と感じました。

公開レッスンのあと、主催者さんのお父様お母様にお礼を言いに行ったら、
主催者さんのおじさまの息子さん(11歳)のピアノを聴いてほしいとのことで、
ちょっと軽くレッスンをしたのですが、この少年が、とっても良かった!
これこうしてみたらもっと良くなるかもよ?と言うと、とりあえずやってみてくれるのです。
才能があるかどうかよりも、吸収力があるかどうかの方が大事だなと痛感。
もちろん、自己があって、これが私(俺)だー!ってのが必要なところもあるけれど、
他人からアドバイスや悪いところを指摘されたときに、柔軟性を持ってそれにトライ出来るかどうか。
この能力があれば、最初がどうであれ、一生良くなっていけるのでは、と思いました。
そしてそれ、私自身にも、大事なことだなと思いました。
年取ると、はっきり言ってくれる人いなくなってくるからね。

で、終わった後、主催者さんのお友達のお宅に、夕食に招いていただきました!
IMG_8352.JPG
マンションだったのですが、扉にこれが貼ってありました。
中国のお正月の時にドアに貼ると、災厄が逃げていくのだそうです。
どの家もこれ貼ってあるから、なんとなく、そりゃ逃げるよなぁという派手さ。笑

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すごくいい家でした。こちらのご家庭では旦那さんもお料理されるとのことで、
旦那さんが料理している間、奥さんがキッチンをこまごま片づけたりして、いつでもきれい。
奥にいるのが主催者さんの奥さまで、主催者さんは料理全然しないとのこと。笑

あと、中国は喫煙率がとても高い。特に男性。
私タバコダメなので、周りの男性陣は皆さん気を使って下さって、
タバコを吸うときは部屋の外に出てくれたりしたのですが、
おしゃべりはしたいので、部屋のドア開けて身体は外で、中に向かって話すから、
結局煙は入ってくるという笑 まぁ異国で気を使って頂けただけでうれしいですよ笑

IMG_8359.JPG
こちら、その日のごはん。全部美味しくいただきました!
真ん中が、豚肉とチンゲン菜?に辛いスパイスをいろいろ載せ、熱した油を最後に回しかけたもの(モスクワの中華料理屋ドゥルジバで出てきた水煮肉片!)、
手前が玉子を焼いて、それを油で揚げて、その後油と砂糖を混ぜた水あめを回しかけたもの、
左周りに、玉子とトマトの炒め物、干豆腐とジャガイモの炒め物、
棗入りの甘いちまき砂糖どばっとがけ、棗入りの謎の甘い手作りパン、
青唐辛子の煮びたし的なもの、とうもろこし、普通の豆腐とジャガイモの煮物、
エビとシャコのスパイスがけグリル、いんげんと豚肉の煮物。
棗は、砂糖と一緒に食べないと、胃を痛めるらしいですよ。ほんとかな。

前の記事でも書きましたが、油と砂糖とスパイスの使用量がすごい。
寒さに打ち勝つために、甘いもの、辛いもの、油を積極的に摂取するのだそうです。
不思議なのが、モスクワと同じくらいの気候なのに、
どうして全然違う文化が育ったんだろう。そういうの考えるの、好きなんです。

あと、人生初殻付きシャコだったのですが、殻を取ってくれたので、おとなしく食べました笑。
美味しかったです。基本勧められたらとりあえず食べてみる、そんなスタンス。

IMG_8363.JPG
こちら、この日のハルビンビール。いろんな種類があるのですが、
私は昨日に引き続き白酒で、ちゃんぽん危険ということで、ビール飲ませてもらえませんでした。笑

次の日ハルビンに行ってより良く分かったのですが、大慶の人たち、とてもいい人たち。
地方都市だからなのか、外国人が珍しいのか、それとも私が中国人の中に一人放り込まれたからなのか、
通訳さんのホームだからなのか、とても温かくもてなして頂きました。
ここのお宅の子供たちもとてもかわいくて、帰り際に指輪プレゼントしてもらいました。
IMG_8367.JPG

あと、この日いらしていた、主催者さんの弟さん(主催者さんと双子!)の奥さまが妊娠中で、
2人目か〜元気な子を産んでね〜〜とか言っていたのですが、
ふと気づく。中国、一人っ子政策やないか、と。(双子はOK)
で、1人目が女の子だったので、
もしかして男の子じゃなかったら罰せられるとか…と恐る恐る訊いてみたところ、
今年から2人目までOKになったとのこと。
変なところで遠くに感じていた政策を近くに感じたのでした。

やっと大慶編、これで終わり!笑
次の日、ハルビンに移動です。
posted by makiko-kudo at 20:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 非日常
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