今日仕事場で「ロシアンピアノメソッドとはなんぞや」と訊かれたので、
レズギンカのことはとりあえず置いておいて(ちゃんと書きますよ)、
私のロシアンピアノメソッド観、そして音楽観について書いておきたいと思います。
昨今、ロシアンピアノメソッドと言われる本が流行ったり(?)していますが、
あくまで私感、私自身としてはですが、ロシアンピアノメソッドと言われるものは、無いと思っています。
もしくは、私にははっきり言葉に出来ないなと思います。
まぁ、歌うピアノとか、楽器が響くとか、言うけどでもそれって、ロシアだからか?という感じ。
それって音楽として必要な、自然で普遍的なことじゃないかと。
なので、私はロシアンピアノメソッドに基づいて教えています、とは言えません。
ですが、私が正しいと思うものを教える。それがロシアで習ってきたことが多め。とは思います。
それは多分、ロシアで今までの価値観がめちゃめちゃに崩れて、
それをもう一度構築し直したからだと思うのですが。それはまた後日。
私が仙台時代に習っていたピアノの先生は、イギリスとドイツで勉強された方なのですが、
その先生の先生もイギリス人とドイツ人。ロシア系の人ではありません。
でも、その先生が言って下さっていたことが、ロシアに行って初めて腑に落ちたということも多く。
つまり、勉強したのがどこかじゃなく、その時に何に気付いたか、だと思うのです。
ただ、ロシアンピアノメソッドとは何かという問いに対して、
ひとつだけこれかな、と思うことは、
それぞれの生徒が超えるべき課題を見つけ、それを生徒が分かるまであきらめずに教えぬくということです。
ロシアのグネーシンアカデミーの高名な先生が日本でのマスタークラスで、
「これをこういうふうに教えたら良くなるなんていう、薬はないし、処方箋もない。
ただ、教えるときに大事なことは、大きな忍耐力を持って個々に臨むこと。」
とおっしゃっていました。
モスクワ音楽院の某教授も同じようなことをおっしゃっていました。
「ロシアンピアノメソッドって、私には分からないけど、
あえて言うなら、それぞれの生徒に合った方法を見つけること。そしてあきらめずに教えること」と。
自分の出している音がちゃんと聴こえているか。楽器が響いているか。
生きた音が出ているか。痛い音が出ていないか。
その音が次の音と繋がっているか。どう繋がっているか。
曲をどうとらえているか。自然な流れの良い音楽になっているか。
…などなどの課題に対して、生徒自身がどうアプローチしたらそこに届くか。
それは個々の身体の使い方の問題なので、十人十色なのではないかと。
とまぁ、ここまで言って何なのですが、
これって先生自身の感覚に拠るところが多いですね。
自分で書き始めておいて、恐ろしい結論だ。笑
そして、ロシア的ピアノの弾き方方法論に関しては、
これからも考え続けると思います。何か答えが出たらその方が良いと思うし。
ですので、ご意見等ございましたら、ぜひお問い合わせの欄からお寄せ下さい。
2016年01月24日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/172667598
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのトラックバック
http://blog.sakura.ne.jp/tb/172667598
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのトラックバック